2010年10月07日

普天間基地、辺野古移設問題を考える。

 昨日の衆院代表質問において、自民党の谷垣総裁は複数の点で菅政権を攻撃したが、その中に、沖縄の普天間基地の辺野古移設についての質問もあった。
 ただ、谷垣氏の「生真面目さ」もあってか、「みんなの党」のように、ただ非難・批判をするだけなのではなく、この問題について、自民党の方に元々重大な汚点があることを意識させる質問だったと思う。もちろん明確に認めているわけではないが。

 このブログに来て下さる方に、この問題をご存じない方はいないと思うが、一応復習しておきたい。
 普天間基地は、太平洋戦争での米軍の沖縄占領後、米軍が建設した基地で、今は主に海兵隊のヘリ基地として使用されている。ただ、極東最大の空軍基地・嘉手納基地の改修に伴い、F-15戦闘機の運用が始まったことにも留意しなければならない。

 この普天間基地では、沖縄の本土返還後、周辺で都市化が進み、騒音や複数回におけるヘリの墜落事故などにより、周辺住民が危険にさらされると言うことで、1995、6年にかけて合意された、「SACO合意」によって、普天間基地は、沖縄本当の中東部にある、辺野古岬のキャンプシュワブに移転させることが決まっていた。なお、「SACO合意」の他の条項はほとんど全てが、米軍施設の返還と撤去に関するものであったが、普天間基地だけは、「移設」と言うことになっていた。

 しかし、この辺野古への移設は難航する。別に反対派の活動が激しくて難航したのではない。どちらかと言うと保守派、土建利権政治家たちによる、新設する基地の規模拡大(当初アメリカは、陸上部分にヘリポートを作れば良い、と言っていたのに、地元の前・名護市長の島袋氏などが、沖合2キロまでのサンゴ礁の海を全面的に埋め立てて、さらにヘリ基地には不必要な、長い滑走路をV字型に2本作ると言う計画を国に飲ませた経緯がある。これは、ただひたすらに、土建屋である前・名護市長らが、埋め立ての土砂運搬などで、約3500億円と言われる土建利権をあさるために、地元首長の立場を利用して、国に要求していた物であった。)。
 この結果、普天間基地の移設は遅れ、自民党政権末期に、環境アセス調査の強行が始まった程度であった。

 しかし、この時点では、一部の基地反対派の活動以外には、それほど大きな問題にはなっていなかった。その背景には、県民所得が低く、高失業率の状態にある沖縄県の、米軍基地による雇用に期待せざるを得ないと言う、難しい問題もあるためである。

 ところが、民主党に政権交代した後、鳩山政権が成立し、鳩山首相は、普天間基地の県外移設を模索する姿勢を見せて、地元はにわかに基地建設反対の期待が高まった。
 だが、鳩山前首相は、その後見られる、右顧左眄ぶりを発揮し、自分が言いだしたことなのに、アメリカなどに強く交渉することができず、逆に辺野古への新基地建設を確定する日米合意を飲んでしまうと言う、弱腰外交に終始した。このころから、私の鳩山への失望感は増し、その後、政権を放り出したり、次回の選挙では立候補せず、議員を辞めると言う言葉を翻したり、先般の民主党代表選では、キングメーカー気取りで、密室の交渉で首相を決めようとし、それが決裂すると、当初、菅直人支持を表明していたのに、3日後には小沢支持に回るなど、もはやどうしようもない右顧左眄、「ブレ」の姿を曝した。最近の民主党の人気凋落の原因の過半は、鳩山への失望や軽蔑が大きいと思う。
 期待を抱かされて、すぐさま裏切られた沖縄県民の怒りも大きいと思う。

 当初の鳩山の、県外移設と言う話は、確かに沖縄の基地負担軽減と言う善意があったのであろう。しかし、それを完遂できず、結果として、沖縄県民の期待を裏切る結果になったのは、彼の徳の無さであろう。

 さて、実は私は先日沖縄に旅行し、ちょっと通過しただけであったが、辺野古を遠望する場所から周囲を眺めてみた。美しくのどかな風景が広がっており、サンゴ礁の明るいブルーと、沖合の島(現計画では、その島まで2キロを、全面的に土砂で埋め立てる予定。)の緑がコントラストをなして、絶景と言える自然が残っていた。

 普天間基地は、その周辺住民の安全のために早期に移転させねばならない。しかし、辺野古の海を埋め立てる、土建利権屋が作った計画は余りにも無茶がある。その中で、鳩山の言いだしたのにすぐ折れたと言う無様な行動の結果、地元・名護市では、反基地活動が盛り上がり、市長が土建屋の島袋氏から、基地建設反対の稲嶺氏に変わり、その直後の市議選でも、それまで拮抗していた、賛成・反対の勢力図が塗り替わり、基地反対派が過半数を上回る結果となった。現在における地元の民意は、示されたのである。
 さらに、沖縄県知事選挙が来年1月に行われるが、2期目となる、保守の仲井間知事でさえ、「普天間基地の県外移設」を口にするようになった。

 鳩山の放り出しを受けて政権を担った菅首相は、鳩山が受け入れた日米合意を追認し、地元の怒りを買う結果となったが、私は、あの政権放りだしの直後の突然のリリーフ登板で、それまで関与していなかった問題に、正反対の立場を取るのは難しかったと、菅首相に同情的である。

 だが、地元の名護市の民意が、明確に基地受け入れ反対になった今、新基地建設は、当面は非常に、難しくなったと言える。
 県知事までが反対の立場になれば、たとえば建物の建設に関する許可や、道路使用許可などを認めないと言う形で、基地建設を阻止することが可能で、地元・沖縄県民の意見が180度変わらない限り、基地建設はほぼ不可能であろう。

 私はアウトドア、特に南の島でのダイビングを趣味とするせいもあり、サンゴ礁の保全に関心が高いが、その一方、過去の経緯から、普天間基地の移転は急がねばならないと思っている。
 とすると、日本政府は、先の日米合意を見直すための活動を、何らかのタイミングで行うべきであり、ベストは、基地受け入れ賛成を市議会で議決した、アメリカの属国である、北マリアナ連邦のテニアン島(グァムの近く。広島に原爆を投下した、B-29・「エノラ・ゲイ」が離陸した基地が今も残る。)に移転させる方向を模索するべきであろう。
 もとより、海兵隊は、アメリカの攻撃面での尖兵をになう部隊であり、また、約8000人の海兵隊員とその家族が、グァムに移転することが既に決まっている。

 海兵隊は日本の防衛には寄与していない(ミリタリィ・オタクたちは違う見解だが、事実として海兵隊と言う物の目的は、拠点または国土防衛では無く、侵攻作戦の先頭に立つことにあり、そういう訓練しかしていない。)以上、海兵隊員の性犯罪や殺人事件の頻発の件も合わせ、いつまでも沖縄県にいていただく必要は無いと思う。
 さらに、米海兵隊は、その移動手段として、これまでの大型ヘリから、T-35「オスプレイ」と言う、垂直離着陸が可能な、航空機の使用を行うことになっている。
 オスプレイは、運用開始前から墜落事故が相次ぎ、アメリカ人からさえ、「ウィドウ・メーカー」(未亡人製造機)と言う悪名を取った航空機であるが、航続距離が、従来の海兵隊のヘリの1.6倍。速度も速く、駐・沖縄海兵隊が、暗に中国への圧力、または台湾海峡戦を想定していたとしても、テニアンからで十分に役割を果たすことができるのである。テニアン市は人口は数千人。太平洋戦争時の飛行場が今も残り、滑走路は4本もある。
 周辺住民に与える影響も小さく、海兵隊の戦術目的にも不都合は無く、地元市議会が受け入れを希望していることからも、また、アメリカ兵が沖縄で反基地感情に囲まれている状況から比べても、ずっと良い基地建設場所だと思う。

 っと言うことで、来年1月の沖縄県知事選挙の結果を見て、その結果、辺野古基地建設反対の知事が就任した場合、日本政府は、民主主義の原則に従い、アメリカ政府に、再交渉の申し入れをするべきであると、私は考える。
 また、国外移転が結果としてできなくなったとしても、たとえば、極右の安倍晋三(APA壺三)の地元である山口県の岩国市のように、基地土建利権の市長がいる自治体に受け入れを要請するべきだと思う。
 今でも、基地負担に悩む岩国市民には申し訳ないが、選挙で今の市長を選んだ以上、そのようなことを言われてもやむをえないと思う。嫌ならば、次の市長選では、基地反対派を当選させるとともに、山口県民は時代遅れのカルト極右の「APA壺三」など、落選させる勇気を持ってほしい。

 以上が私の、普天間基地移設に関する見解である。

 私が知らないことも多いだろうが、戦闘部隊の過半がグァムに移転する海兵隊のために、なぜ、今の普天間基地より大きな滑走路付きの新基地を、海を埋め立ててつくる必要があるのか、推進派に問うてみたいものだ。

 最近の尖閣諸島事件で、「なんちゃってナショナリズム」が高揚し、南西諸島に陸上自衛隊を配備せよと言う、戦術的にばかげた妄論を唱える者が、民主党の議員の中にもいるが、彼らはただのバカな極右にすぎず、物事を論理と事実で考えようとしない愚か者である。

 今日はここまで。

 以上。
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posted by ジャッカル at 03:34| Comment(1) | TrackBack(5) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月05日

「情報リテラシー」の重要性。

 小沢氏、強制起訴の件については、ブログ界、およびツイッターで、ずいぶんと感情的な批判を目にする。
 しかし、それらの主張の全てと言ってよいのが、「どこかから持ってきた(多分ネット上から)」情報を、コピペしただけの物であった。

 自ら思考せず、法制度に関する知識も無く、またたとえ法が不十分(私はコイズミによる司法制度改革は、従来の日本の大陸法体系から逸脱した突飛な物で、改善する余地が多いにあると思っている。)だとしても、既に法として施行されている物に対して、感情的で、しかも自分自身の言葉で無いコピペで持って他者を論難する姿勢を、強く否定したい。議論にならないからである。

 それらのコピペの元が、植草のブログであったり、売名行為を図る人間の物であったりする以上、それらは「言論」とはみなせない。ただの雀のさえずりにしかすぎず、社会に悪影響しかもたらさない。

 しかし、ことほどかように、司法制度や、検察。または検察審査会への不信が横溢しているのには、社会的理由があると思う。
 つまり、日本社会は、「不信」の社会になってしまっているのである。

 その根源的原因は、まさに、田中角栄逮捕以降の、自民党政治の腐敗と強圧的姿勢の結果、国民が何を信じて良いのかわからなくなっているのだと思う。政治への不信、マスコミへの不信、官僚への不信などなど。経済状況が20年に渡り沈み込んでいる日本において、一部の利権漁りの勢力の、無責任かつ、利己的な行動の結果、国民は何を信じれば良いのかわからなくなっているのだと思う。
 食品偽装や、耐震工事偽装の事件は記憶に新しい。それらも、「不信の社会」に」なってしまった原因の一つであろう。

 また、現代の問題として、インターネットの発達。携帯電話からもネットに接続できる環境・テレビの多チャンネル化など、現代人は、歴史上かつてないほどの情報の洪水の中に立たされている。その為、知識や経験の不足で、正しいと思われる情報を選別できない人は、単に好悪、好き嫌いの「感情」のみで情報を取捨選択すると言う状況になってしまっている。

 私事で恐縮だが、最近、地デジ対応と言うことで、新型のテレビを購入し、衛星放送なども受信できる環境になった。そうすると、まさに情報の洪水で、何を見るのか、悩まねばならなくなった。 
 CS放送で流れるアメリカで製作された番組は、この9月にあたって、いわゆる「9.11」の事件を繰り返し繰り返し放送している。特に論評はしていないが、この結果、アメリカ人は、アルカイダ、ひいてはイスラム圏への憎悪や復讐の念を新たにすることと思う。
 そのように、自分自身がしっかりと立っていないと、情報の洪水に流されてしまう。

 そして、この20年間、自民党の私利私欲による利権政治のツケが、国民に転嫁され、国民の多くが格差や貧困の問題に直面している今、国民は、半ば思考停止的に、垂れ流される情報の中から、自分の感情的好悪の念だけで情報を受け取ることになっているものと思う。
 さらにたちが悪いのは、そのような状況につけ込み、デマや真偽不明の情報を発信する、「陰謀論者」の存在が、国民から思考を奪い、安直な「悪者探し」に終始する思考形態を生み出している物と思料する。

 「陰謀論者」の主目的は、自分の本やDVDを売ることにあり、そのために、よりスキャンダラス、かつ意外性のあるネタを提供する。
 自分で思考することを放棄し、他者の言説をコピペするような人は、このような陰謀論者のたくらみに容易にはまってしまう。なぜならば、自分には理解しがたい事件や事象を、一見、明白に解明してくれるからである。

 たとえば、先進国の中で、日本だけがこの20年間、景気の回復が無く、貧困や就職難などの悲惨な状況が生まれている。それは、良く考えれば、コイズミ構造改革のような新自由主義(弱肉強食を是とする主義)の結果なのだが、コイズミのパフォーマンスに騙されて、コイズミを支持した日本国民にとっては、この不景気が続く原因を他に求めることになる。

 そこに、「陰謀論者」が、「アメリカの陰謀」、「ユダヤの陰謀」などの、真偽不明のまやかしの情報をネットで発信すると、迷える人々は、安直な回答として、それらに飛びつき、ひたすらアメリカや中国の悪口を言って憂さ晴らしをするという結果になっているのではないかと思う。
 このような、経済の困窮による時代に、陰謀論的言説がまかり通ると、昨日述べたように、第二次世界大戦時の、ドイツやイタリアのような、ファシズムの温床となる可能性が出てくるのである。

 今のところ、幸いなことに、日本は憲法9条により、対外戦争を禁じられており、自衛隊はあるものの、それを持って、暴発する可能性は少ない。
 しかし、同じ状況が70年前であったのなら、日本は戦争を始めていたかもしれない。いや、実際、暴発して、最終的には国土を焼け野原にされる惨禍を受けるはめに陥ったのである。

 「陰謀論」の蜜は、一見甘そうに見える。自分が懸命に考えなくとも、答えを用意してくれる。
 しかし、その陥穽にはまると、本来解決すべき課題が見えなくなり、やたらとどこかの誰かを敵として憎み、やがては、武力による暴発へとつながってきたのが、過去の歴史である。

 「陰謀論」の危険性は、その思考停止にある。自分で物を考えなくなり、他者の言説に踊らされるようになると、もはや、止めることができなくなる。

 植草や副島が述べていることを、もう一度冷静に吟味してほしい。何の論拠も証拠も無く、ただ、二項対立的に悪者を仕立てあげ、それを罵倒、攻撃することで成り立っている言説の異常さに気付いてほしい。

 大変難しいことだが、自分の頭でしっかりと物事を考えると言うことをしなければ、ただ陰謀論者の言説に流されて、間違った結論に達するだけである。
posted by ジャッカル at 18:30| Comment(0) | TrackBack(1) | マスコミ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

小沢擁護の一部ネット言論がひどい。

 あらかじめ断っておきますが、これまでも書いてきたように、私は小沢一郎と言う政治家を信用していません。裏切りや変節を繰り返し、改憲は主張していないものの、それは自民党が取ってきたなし崩し的解釈改憲でなんでもできると言うやり方と、同じ方向性を持っているもので、とても護憲派の私が支持できる内容ではありません。

 その前提に立ちつつも、私は今回の検察審査会の決定による強制起訴については、判決が下りるまでは、小沢氏は「推定無罪」の立場を取りますし、また、多分検察が集めた証拠では有罪にするのは難しいと思っています。

 そうは言っても、かつて、安倍や麻生政権時に起きた、自民党の閣僚や議員の同様の金の問題については、手厳しい意見を述べていた、多くの政権交代志向ブログの過半が、今は小沢氏絶対崇拝のような状況になっており、昨夜から今朝にかけて更新された、いくつかのかつては「自エンド」運動に参加していたブログで、通常では考えられないほどのひどい罵詈讒謗が、顔も名も知らない検察審査会のメンバーに対して投げつけられています。

 また、検察審査会の制度や内容についての知識が不十分なのに、断定口調で、「これはマスゴミと、菅政権の陰謀だ!」と叫ぶ姿は、私にとっては、戦前のナチスやイタリアのファシスト党が、ヒトラーやムッソリーニを盲目的に個人崇拝し、「ユダヤの陰謀により、我が国の富が奪われている!」と叫んだのと同じ無思考状態に見えて、大変恐ろしいことだと思います。

 そもそも「陰謀論者」と言うのは、単なる憶測などがネット上で流れている中から、自分の好みや気分にあった物だけを取り出してつなぎ合わせ、それを断定口調で述べるのが特徴です。

 代表的な小沢支持の陰謀論のブログに、元・経済学者の植草一秀氏の「知られざる真実」と言う、アクセスの多いブログがありますが、彼の言う、「悪徳ペンタゴン」(政・官・財・『マスゴミ』・アメリカまたは検察)が、日本の政治を壟断していると言う陰謀論では、植草氏らに言わせると、証拠は何も提示しないのに、今回の東京第五検察審査会メンバーが買収されているとか、「マスゴミ」(この言葉は嫌いです)に操作された「愚民」ばかりだ、っと言うように、自分を何段も高い立場に置いた上で、見も知らぬ人々を罵倒しているのです。

 私とて、政・官・財の癒着の構造や、アメリカの日本への内政干渉などがあることは重々承知しています。 
 しかし、検察審査会のメンバーや、民主党代表選で菅首相を支持した多くの党員・サポーターについて、やはり、「マスゴミ」に騙されている愚か者呼ばわりし、また代表選の投票については、何の証拠も示さずに、開票翌日のブログ記事で、「票のすり替えを菅陣営が行った。」っと断定しているのには、呆れるよりも恐怖を感じます。そこにあるのは、自分の論を理を持って展開して人に賛同を求める姿勢では無く、自分の感情の赴くままに、自分と違う意見の人や事件を、「〇〇の陰謀」により騙されたか、愚かで理解できない愚民呼ばわりして、あたかも自分たちだけが真実をしっている正義だと主張する、一種のファナティックなファシズムに近い行動形態だと思います。
 それは、全てを「陰謀論」により片付けて、「自分だけは真実を知っている」と言う高みに立った姿勢での自己満足的思考であり、非生産的であり、そのような言説には、私は不信感を持つだけです。

 小沢氏を支持するのは、各自、思想信条・内心の自由が憲法で保障されているので、全く問題はありませんが、その支持の仕方が、具体的な理由を示せず、「小沢先生なら何とかして下さる」と言うあいまいな理由での支持で、しかも、違う意見の人々を、悪として断罪する姿勢は、傲慢でもあり、理不尽でもあります。

 私は、最近ツイッターで何度も、なぜ小沢氏を、「小沢先生なら何とかして下さる・・・」ッと言うような曖昧な理由で、そこまで狂信的に支持するのか? そして、反対者を説得では無く、罵詈雑言を投げつけて誹謗中傷するのか、その理由を問うてきましたがまだ回答は得られていません。
 同じくネット・ツールのmixiでも、「マイミクさん」の中には、小沢氏支持者の方が多く、彼らにも同じ問いを投げかけているのですが、誰も答えてくれません。

 答えることができないような曖昧な理由での個人崇拝を他者に強要するがごとき言説を展開し、それに従わない者は全て「悪」と言うのでは、私も「悪徳ペンタゴン」の手先と言うことになり、身に覚えが無いので、理不尽な言われようだと感じています。

 そもそも、植草氏は、自民党政治のころから「悪徳ペンタゴン」と言うセンスの悪い造語で政権批判を展開していました。
 その背景には、植草氏と共著を出している、副島隆彦氏らが主唱する、「アメリカの陰謀」や、それを超えて、「ユダヤの陰謀」とか、「イルミナティ」(存在は疑問視されているが、小説などに登場する、ユダヤ教またはキリスト教がらみの謀略組織らしいです。)などの陰謀があり、日本は彼らによって攻撃されていて、日本政府は彼らの傀儡だと主張する、普通は「トンでも」と言われる、真偽不明の情報を基に構築されている物です。
 植草氏も副島氏も、そのような陰謀があると言う証拠は明確に示さずに、ただ「そうなのだ!」と断定した上で、小沢氏こそが、そのような陰謀に対処しうる稀有な人物であると言う、これも論拠を示さずに断じているのです。

 しかし、民主党政権になり、「悪徳ペンタゴン」の一角が、腐敗政権であった自民党から、初めて政権に就く民主党に変わったと言うのは、いくらなんでも飛躍のしすぎだと私は考えます。以前にも述べたように、癒着の構造は相当程度あるのでしょうが、その多くは人脈と利益誘導で形成されていて、自民党人脈が、政権交代と同時に、一夜にして、全て民主党につながると言うのは、理屈としても、物理的にもありえないと思うのですが。

 しかも、植草氏らの主張では、「悪徳ペンタゴン」の「政」は、民主党の中の菅首相支持派だと言い切りますが、これも何の証拠も論証もされていません。

 このように、「何らかの巨大な影の力によって、世界の全てが動かされている」と断じる「陰謀論」の立場に立つと、個々人の日々の営為は全て無駄であり、世界支配者(ロスチャイルド、ロックフェラーとかのアメリカの財閥など)達によって、全てがコントロールされていることになり、その中で、自分たちだけは真実を知っている、と証拠も無しに断言しつつ、他者を誹謗中傷して自己満足しているだけなのが、今の日本の「陰謀論者」だと、私は言い切りたいと思います。

 その背景には、この20年間の日本社会の閉そく状況を、誰か強い指導力を持つ人によって、なんとかしてほしいと言う願望があり、たまたま「剛腕」と異名を取り、前々回の参院選で、「国民の生活が第一」と打ちだした小沢氏に、その願望を託しているのだと思いますが、それならそうと主張すれば良いのに、反対者を、陰謀論的見方で「悪の手先」と断定し、誹謗中傷しかしない。そして、自分たちが求める社会や政策を語らず、ただ「小沢先生なら何とかしてくださる。」ッと言うような曖昧な主張に寄りかかり、自分たちで、政策論や理想の社会についての議論を深めようとしない姿勢に、大いに疑問を持ちます。
 
 繰り返しになりますが、このような、自分の政策や思想を展開せず、個人崇拝によりなんとかしてもらおうと言う姿勢は、戦前に、経済的にひっ迫していたドイツやイタリアで、個人崇拝(フューラー崇拝)を行い、軍国主義、世界大戦へと突っ走った状況に似ています。
 私に言わせれば、このような陰謀論による、個人崇拝の強要こそが、衆愚であり、思考停止の危険な状態だと考えます。

 まず何よりも、他者を批判し、陰謀があると言うなら証拠を示す事と、理想の社会・政治があるのなら、自分たちの政策や理念を示すべきであり、単に反対者を罵倒するだけの言論に価値は無いと思います。そしてそれは、まさに無思考状態の衆愚への道であり、危険な物だと指摘します。

 議論は嫌いでは無いので、私にとって、理解が困難な陰謀論者、またはそれを支持して、小沢氏崇拝をする人は、その論拠をぜひ教えてほしいと思います。ただ、どうも話が噛みあいそうにないので、コメントをいただくのは構いませんが、逐一対応はしませんので、悪しからず。応えは、今後のブログ記事に反映して行きたいと思います。
 また、真っ当な理由での小沢氏支持ならば、別に批判はしません。各自の思想の自由ですから。

 では。今日はここまで。

 以上
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posted by ジャッカル at 05:24| Comment(2) | TrackBack(6) | 世相 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月04日

【ニュース】検察審査会、小沢一郎氏を強制起訴相当と判断。

 つい30分ほど前にニュース速報が流れました。ネット上でも次々にニュースが報じられています。

 民主党元代表、小沢一郎氏の政治資金規正法違反事件(いわゆる「陸山会事件」)について、東京第五検察審査会は、これまでの、不起訴不当 ⇒ 検察が再聴取後不起訴、に対して「起訴相当」の議決をしました。
検察審査会について)。

 これで、小沢氏は、裁判所が選定する弁護士によって、強制的に起訴されることになります。
 これを受けて、議員辞職を求める声が出るのは間違いありません毎日新聞の速報)

 私自身は、小沢氏が好きでは無く、民主党代表選で敗れて良かったとは思いますが、もし小沢氏が代表になっていたら、民主党政権は、単に危機に陥るだけでなく、内閣総辞職となった可能性もあります。少なくとも首相になっていたら、その地位にとどまり続けることは難しかったでしょう。

 元々自民党を含めた保守系野党は、この臨時国会で「政治と金の問題」をメインに与党を攻撃する予定でした。多分、小沢氏が代表選に勝ち、首相になることを想定していたのでしょう。
 そのあてが外れて、自民党は、突発的に起きた尖閣諸島漁船衝突事件を争点として臨時国会が始まりましたが、今回の小沢氏起訴確定で、再度小沢氏の「政治と金の問題」をターゲットに国会で追及していくことでしょう。

 このテーマでは、保守系だけでなく社民党や共産党も、政府・民主党を追及することは間違いありません。ただ、この事件で、国会が停滞することは避けてほしいと思います。
 また、この場合、裁判は検察官代わりの弁護士が公判を維持することになるのでしょうが、裁判自体は、裁判員裁判ではなく、裁判官が直接審理することになります。判決がどうなるかは、全くわかりません。

 政府・民主党の元代表であり、鳩山内閣では幹事長を務め、今は無役と言う物の民主党内最大のグループの領袖である小沢氏の起訴は、政界・政局に大きな影響を与えるでしょう。
 ただ、菅首相としては、「菅降ろし」の政局をしかけられる可能性が遠のいたわけで、内心ホッとしているのでは無いでしょうか?

 この事件に関して、小沢氏を熱狂的に支持していたネット上の一部の人々は、また「陰謀だ!!」と叫ぶかもしれませんが、裁判にかかることになった為、検察の事情聴取とは異なり、法廷は公開されているので、事実関係を含めいろいろと明らかになるでしょう。とにかく、こうなれば、裁判の結果を待つしかありません。

 なお、私見ですが、自民党が政権にいた頃は、政治資金収支報告書の不記載や改ざんは毎年のように起きて、その度に、秘書や事務員の責任にして、政治家自身は起訴を免れてきました。いや、検察に事情聴取されることすら希でしたでしょう。
 ある意味、今回検察が陸山会事件を俎上に乗せたこと自体、自民党に媚びる検察官僚の恣意的な捜査であった可能性も指摘されています。

 他方、検察が小沢氏を事情聴取し、不起訴とした直後に、民主党は「取り調べの可視化」を見送り、またあまり報道されていませんが、上級官僚の人事権を政治家が握る、と言う方針から検察官僚を除外すると言う事になったのは、小沢氏が民主党幹事長であった時期で、小沢氏と検察の間で、密約めいたことがあったのでは無いかと、疑う向きもあります。

 私は、常日頃、いわゆる「陰謀論」を、「思考停止」状態として強く批判してきましたが、世の中、陰謀や策略・密約が無いと言うわけではない事も事実である以上、上記のいずれかは、ありうる話だとは思います。
 ですが、これで公開の裁判にこの事件はゆだねられることになったわけで、しかも、最近、権威が地に落ちた検察ですが、今回は検察官は、選定された弁護士と、検察事務官との仲介をするだけなので、検察官は何もできません。
 証拠のねつ造と言うショッキングな事件があった後だけに、裁判所に指名される弁護士が、適正に公判維持をしてくれるものと期待します。

 その裁判の結果次第では、小沢氏は政治生命を失う可能性もあります。民主党内の反小沢派からも、
議員辞職要求が出ることも考えられ、当面民主党内は大揺れに揺れることでしょう。

 少なくとも、民主党代表選後、雑誌メディアで取りざたされていた「10月に、小沢氏が菅降ろしの政局をしかける。」っと言う可能性は無くなったと思います。
 まぁ、小沢氏が先手を打って、民主党を割ると言う可能性もありますが、この検察審査会の決定のため、着いて行く国会議員はかなり少なくなると思われ、その可能性は少ないと思います。

 ここで、私個人の感情や印象を基にした小沢氏についての私見ですが、自民党時代は、故・竹下元首相、故・金丸氏と言った、「経世会」の土建利権政治家の秘蔵っ子で、自身も土建利権政治家とみなされていました。
 また、バブルが崩壊し、故・金丸氏が国税庁に摘発されて政治の表舞台から去り、間をおかずに死去した後、小沢氏は、自分たちの腐敗の構造を、他人面して批判する形で自民党を脱党し、自民党を「守旧派」などと批判しました。
 私は、この変わり身の早さや、自民党を裏切り、自らの行為を棚に上げて、もといた党を批判する小沢氏の人間性に不信感を持つようになり、それが私の小沢嫌いの根底にあります。

 もちろん、前々回の参院選当時、民主党の代表を務め、「国民の生活が第一」と言う、今でも使われている民主党のスローガンを述べて、参院選で大勝して政権交代への道筋をつけた手腕は、評価すべきだと思いますが、その根底に、自らの権力のためには、いかようにも立場や主張を変えると言うのであれば、やはり信用できない政治家として、批判すべきと思います。

 特に、民主党が前々回の参院選で勝利し、「ねじれ国会」になった時に、自民党との大連立を画策したり、アフガニスタンへの派兵を、アメリカのアーミテージに求められたときに、国連軍である「ISAF」になら自衛隊を出しても良い、と発言するなど、現行憲法の平和主義を重視する私としては、認めがたい考えの持ち主であります。

 さて、今後、永田町では、さまざまな動きがあるでしょうが、事件が法廷に預けられ以上、余りこの事件に時間を無駄にせず、補正予算による経済対策の早期の執行を急ぐべきだと思います。所詮は小沢氏個人のことなのですから。

 今日は、ここまでとします。上記赤文字部分のリンク先は、長いですがぜひお読みください。

 なお、明日は、民主党代表選において、小沢氏を狂気のように支持したネット世論。特に植草一秀の主張に対して、陰謀論批判と併せて、徹底的に矛盾を突いて行きたいと思います。

 以上。
posted by ジャッカル at 16:39| Comment(0) | TrackBack(3) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

政府・民主党は、国家戦略局を拡大の方向

 尖閣問題で、「にわかナショナリズムが燃え上がり」、元々の右翼の皆さんは狂喜乱舞の吹きあがりようだそうですが、その手の主張では、この問題は絶対に解決しないので、早晩鎮静化する(させられる)ことでしょう。

 ちなみに今回の件で、レア・アースの中国以外からの調達の話が出ていて、モンゴルが候補に挙がっていると報道されていますが、私は1年ほど前からレア・アースの件については報道を追っていて、来年にはカナダからの輸入かはじまるはずです。カントリーリスクを考えた分散化は天然ガスでも行われており、資源の無い日本は、太平洋戦争前にABCD包囲網によって困窮して、石油を求めて南方戦線に暴発したような、今の北朝鮮みたいなことにならないように、賢く対処していくべきでしょうね。

 さて、今日もまた話が変わり、一部で報道されている、政府・民主党が「国家戦略局を増強」と言うことについて触れたいと思います。

 http://www.47news.jp/news/2010/10/post_20101003175304.html

 記事では、戦略局の規模を拡大し、重要政策の「企画立案・総合調整」と、首相に提言や情報提供をする「シンクタンク」機能の2部門に分けて行く方向だそうです。

 私がなぜこの件に触れたいかと言うと、私としては、民主党政権発足時、国家戦略局(最初は「室」)の設置に期待をかけたからでした。

 自民党時代終盤。竹下経世会支配下でのバブルとその崩壊以降、日本の経済は、政治無策のせいで迷走を続け、他の国が今は金融危機で落ち込んでいる物の、一旦は不況から脱却したのに、日本だけは、ずっと落ちっぱなし。コイズミ時代の景気回復期間は、「イザナギ景気越え」とはやしたてられましたが、半分は数字の捏造でしたし、期間は長くとも、実際の回復率は微々たるものだったのです。
 コイズミは、竹下経世会支配に対する反逆児で、土建利権をずいぶんいじめましたが、では彼がクリーンであったかと言うとそうでは無くて、いわゆる「都市型利権」をあさっていた汚い奴で、銀行などの金融や、大手メーカーの輸出のための円安誘導、土建利権も地方の建設会社ではなく、中央の大手ゼネコンが儲かるように経済政策をやりました。だから地方が疲弊し、結局は選挙で地方の反乱が起きて、政権を失ったのですね。まぁ、コイズミの後の安倍(APA壺三)が、国家・経済のことに目もくれず、ひたすら戦前回帰の改憲志向のみの政治をやって、国民から愛想を尽かされたと言う面もありますが。

 で、国家戦略局ですが、民主党鳩山政権発足時には目玉として発表されながら、なぜか途中で縮小されました。多分予算まで踏み込んで大ナタを振るうと言う菅直人の希望に対して、官僚とそれに言いなりの鳩山(鳩山は江川詔子さんに言わせると、おぼっちゃま育ちで、「誰からも嫌われたくない病」、なのだそうで、官僚の反論があるとすぐに言うことを聞いてしまうようです。彼の普天間や、この前の民主党代表選での右顧左眄ぶりは、場当たり的にそういう性格が出てくるからでしょう。)が、戦略局を菅直人の手から奪い、縮小して仙谷官房長官の下に置いて、実質何の機能も持たせなかった経緯があります。

 しかし、上述のように、首相が、自分個人の私利私欲や、妄念的改憲主義などにとらわれて、元々大して頭が良くない奴が首相をしていたから、日本経済は20年間沈みっぱなしだったのだと私は思います。

 だから、きちんと経済政策を提言できるシンクタンク機能や、政策にメリハリをつけて予算配分にも影響を及ぼせる機関が必要だと、前から思っていました。
 妙な角度から言うと、実を言うと私が勤務していた会社でも、何事も社長・会長におはかりしてから、という風潮が強く、責任を全部おっかぶされても、社長・会長にも限界はあるのに、それをサポートする、社長室みたいな組織が存在しなかったので、どうもピントがずれた経営をしていたので、社長室を作るべき、という社内提言(社内規程上は存在するが、行使したのは、ここ2、30年では私だけ)をしたのですが、結局無視された経験があります。

 昔から、「三人寄れば文殊の知恵」とも言うように、首相の個人的妄念で政治をやられては、その人物がよほど有能でない限り、政策立案・実行に限界があります。その結果の失敗例が、コイズミ・安倍だったと言えるでしょう。ちなみに東大偏重主義では無いですが、1993年に政権を失った宮沢喜一首相以降、自民党の首相は皆私学出身で、特に最後の方の安倍や麻生は、決して偏差値の高くない大学への幼稚園からの持ち上がりだったと記憶しています。あまりおつむの方が良いとは言えなかったみたいです。

 だから、その反省に立てば、名前はどうあれ、「国家戦略局」のような機能は必要だったと思います。途中で権限縮小してしまった鳩山こそ、官僚の言いなりに戦略局を格下げした愚か者と言えるでしょう(奴も東大出ですが、工学部です。)。

 今回、菅政権で、玄葉国家戦略担当大臣が就任し、機能強化が図られると言うのは、結果を見ないと何とも評価はできない物の、私に期待を抱かせる一面があります。
 でも、まぁ、何をするのかできるのか、これからが勝負と言うところでしょうが。

 民主党の小沢一郎が、「政局のみ」の人物(羽田・元首相の言葉)であり、コイズミが、「私利私欲だけ」の人物であったのに、人気がやたらとあるのはなぜかわかりませんが、私としてはロジカルな提案をきちんとできる組織が無いと、首相個人の能力次第で国が迷走している、と思っていたので(実際、この20年はそうだった)、国家戦略局(省に格上げと言う話も)の増強は、とりあえず歓迎すべきことと考えています。

 あと、余談になりますが、最初に述べたようににわかナショナリズムが燃え上がっている中、批判の矢面に立たされているのは、民主党内で最も右翼に属する、前原外相です。
 私はAPA壺三の次くらいに前原が嫌いでして、戦後生まれで現行憲法のもとで育った癖に、やたらと国粋主義的で、軍事偏重の思考や発言をする一方で、政治の実績は、安倍は無能・無策。前原はニセメール事件などでの失態のように、あまり能力は無いように思います。

 だから、元々右翼の前原が、右派からの攻撃にさらされているのは、ある意味ざまぁみろ、と思っています。ヒステリックな批判が真っ当な内容とも思えませんが、右派仲間で同志討ちしてくれれば儲けものと思っています。
 今回の領土問題に関する件も、国にシンクタンク機能があれば、少しは違ったかもしれません。

 と言うことで、今回の報道を歓迎する私です。

 今日はこの程度で。

 以上。
posted by ジャッカル at 00:25| Comment(1) | TrackBack(3) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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