2010年10月14日

「武器輸出三原則」の堅持を望む


 元々不定期更新のつもりだったので、スタート直後に連続してエントリーをあげてきたが、ここ2、3日はお休みしていた。

 しかし、この間、ちょっと看過できない動きがあったので、強く批判したい。
 それは、ベトナムで北沢防衛相が、アメリカのゲーツ国防長官との会談で、日本の武器輸出三原則の緩和を提唱したと言う事である。

 直後に取材を受けた菅首相は、緩和の方向性を否定したが、現民主党政権内に、そのような動きがあることの証明でもある。そもそも、かつての自民党時代の首相が表明した原則を、たかが防衛相が勝手に外国の要人に意見表明するなど、閣内不一致も甚だしい。個人的には、尖閣諸島問題でもタカ派的言動の目立った北沢防衛相は更迭に値すると思っている。

 そもそも、「武器輸出」自体は、憲法で禁じられてはいない。憲法9条の文言上は、武器を製造したり、輸出することを否定はしていない。
 しかし、憲法の前文および九条から来る平和主義に立てば、武器の製造自体もかなりグレーゾーンにあると言えると思う。ましてやそれを、紛争当事国などに売却するなどと言うことは許されまい。そこから導かれてきた、「武器輸出三原則」なのである。

 しかし、以前から懸念していた通り、民主党の支持母体は、大手製造業の組合が多い、「連合」である。
 大手企業の労組が、必ずしも派遣などの労働者の味方で無いことは、一昨年の年末の「年越し派遣村」などへの、大手労組の対応を見てもわかる。
 逆に「労組協調路線」を取り、大企業側となぁなぁの関係で、企業内での昇進の踏み台にしたり、地方議員を含めた、議員になると言う、個人の名利を求めて組合活動をしている者が多いのが、これら大手企業の労組幹部の実態である。
 いわゆる「ダラ幹(ダラけた幹部)」達とは、このような、企業側となぁなぁの関係で、会社関係者や、政党関係者とゴルフや飲食をするために、組合員から集めた資金を使っている、私利私欲集団であり、その知性の低さは、鳩山政権当時の官房長官の平野博文が、普天間問題で鳩山以上に妄動・迷走したことにも表れている。奴は電機労連出身、パナソニックの社員であった。

 そして、現在の菅首相が、鳩山政権下で国家戦略室の担当だった当時、新しい成長分野の開発、と言う命題を掲げたが、その中身は、風力などの自然エネルギー分野で、脱石油を目指す新技術を世界に先行して開発すると言う物であった。
 しかし、それもまた、連合の系列の旧・民社党出身の直嶋経産相を中心とした、原発の積極的海外輸出にすり替えられてしまった。

 結局、大手製造業と慣れ合い関係にある、連合や、旧・民社党の勢力は、昔の経団連以上に露骨に、自分たちの雇用の安定と、収入増。所属する企業への利益誘導のためにのみ動いているものと疑わざるを得ない。
 今回の北沢防衛相の、「武器輸出三原則緩和」発言も、主に三菱重工や、川崎重工、石川島播磨などの、陸上・海上自衛隊に武器を供給している企業らからの要請が陰にあるものと推測する。
 航空自衛隊の使用している戦闘機は、アメリカからのライセンス生産であるので、それをアメリカの許可なく売却はできない。また、非常に高価な物であり、そんなものを買える国はごくわずかであろう。

 北沢らが念頭に置いているのは、自動小銃、大砲、ロケット砲、国産戦車などの陸戦兵器や、護衛艦の母体となる艦体を外国に販売することに目的があるものと思われる。国産のミサイルも、東芝や日本電気が作っている。

 兵器を売れば儲かる。貿易も数字の上では活発化する。戦争が起きればもっと儲かる。
 しかし、それでも敢えて、武器輸出による経済発展の道を取らなかったのが日本である。

 それが、タカ派の多い自民党から政権交代したはずの民主党(こちらにもタカ派がかなりいる)政権において、このような発言が、しかも首相の了解なく、アメリカの国防長官に表明されるなどと言った事態を誰が予想できたであろうか?

 「死の商人」になることを自ら選ぼうと言う、倫理観無き企業経営者らにそそのかされた「ダラ幹」どもがやることいえば、この程度の事である。
 現実に世界中に武器を売っているアメリカで、経済が低迷しているのはなぜか?その分析も行わないまま、武器を売れば儲かる、などと言う一部企業の利権のために動く政治屋など、即刻更迭すべきだと考える。

 思えば、私自身は、小沢元代表よりは、菅現首相の方を支持はしているが、先日の代表選のおり、菅首相を支持したのは、タカ派の前原、北沢らの閣僚と、旧・民社党勢力であった。
 逆に、旧・社会党系の横路グループらは、小沢支持に回った。
 結果として、菅政権は、大企業系労組の影響力を排除できないままでいるのである。
 この点を私は、政権発足前から憂慮していたが、それが実際の物になったのが、今回の北沢防衛相の発言であろう。

 菅首相は、今こそ指導力を発揮して、このような、これまでの日本の国是を覆すような閣僚を更迭し、また非核三原則の法制化に向けて動くべきであろう。
 そして、雇用や収入の確保のための施策は、大企業の正社員のためにではなく、ワーキングプアと呼ばれる、派遣やパートなどの非正規労働者の雇用、収入の拡大を図ることが先であり、そのためにも労働者派遣法の「正しい改正」を急ぐべきである。

 それこそが、菅首相が、最初の施政方針演説で述べた、「最小不幸の社会」の実現であろうと思う。
 首相の猛省を求めたい。

 以上。
posted by ジャッカル at 07:08| Comment(1) | TrackBack(6) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは
 北沢大臣の発言が最近目立っています。前原大臣とあからさまに対立するなど、あせりが見えます。

 彼は、辺野古移転実現不可能の責任をとらされる危険を察知しているのではないでしょうか。武器輸出は、純国産の通常兵器ではなく、米国との共同研究による新兵器を米国が輸出できなくなることを懸念しているようです。

 とにかく彼は、防衛官僚の主張に従うしか能のない男に見えます。鳩山時代にもまったく知恵を出せなかったのですから。
Posted by ましま at 2010年10月14日 09:32
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