2010年11月05日

尖閣諸島、漁船衝突ビデオ流出について。

 これまで、あまり尖閣諸島事件については触れてきませんでした。今後もそのつもりです。
 日中、双方の国が、我を通そうとすれば、二国間で障害になるのは当たり前で、日本の製造業も食料品輸入も中国に大きく依存している日本が、あまりこの件で事を大げさにしない方が良いと思っている程度です。

 領土問題の根底的な法的根拠については調べていません。その意味では、私は、竹島は韓国領、国後、択捉島は、本来日本領だったが、太平洋戦争後の多国間協議で、日本領ではなくなったと考えています。 
 別に、自虐史観というわけではなく、純粋に知りうる限りの法的、外交的根拠に基づいた結論です。

 ただ、その意味からすると、尖閣諸島は、日本領と考えることが妥当だと考えています。確かに中国という国の歴史の古さを考えると、島の発見も利用も中国の方が先立った可能性は大いにありますが、明治以降の2国間の関係と法的内容、および現在巡視船が常駐する形での実効支配からすると、尖閣諸島は日本領と言ってよいでしょう。
 特に、中国がこの件で関心を持ち始めたのは、東シナ海の天然ガスの資源が確認されてからで、アフリカにおける中国の、社会主義国の建前とはまるでかけ離れた収奪の状況をかんがみれば、「中国側の強欲による言いがかり」と言っても過言ではないでしょう。

 中国の「中華思想」的外交と、社会主義体制に新自由主義経済体制という、異様な状態や、なんだかんだ言っても、戦前の日本の皇民化教育に匹敵する、漢民族優越主義と、北京語強要を是とする内政方針を見ても、中国の体制側が、外交における巧妙さとは裏腹に、戦前レベルの低い民主化程度であることは間違いないでしょう。

 で、問題のビデオですが。
 全部見ましたが、あれは捏造ではないでしょう。大掛かり過ぎます。日本の極右の金でもあぁはできないでしょう。ですから、あのビデオの内容が事実だとすると、マスコミは菅内閣をやたらと叩いていましたが、実情は、菅内閣の言うとおり、中国側漁船の意図的、もしくは船長の酩酊による、巡視船への衝突ということで間違いないと思います。

 では、なぜこれまでビデオを公開してこなかったのか? まったくの推測でしかありませんが、やはり日中関係の重要性をかんがみ、中国国内では本来不逞な輩といえる、貧乏漁民の暴走行為をねたに、日中関係を悪くはしたくなかったということでしょう。
 ですが、建前と面子重視の中国は、ごり押しをやめなかった。しかし、そこには他方、何らかの引き時をほしがっていたとも読めるわけです。
 ナショナリズムというのは、ある程度は、どこの国の国民の誰しもが持っているものですが、それが刺激されて、無理が通れば道理が引っ込む、というようにはしたくなかったというのが、日本政府の立場でしょう。

 私は、それを支持します。
 中国の領有権主張が、強欲によるごり押しだとしても、国際関係の交渉である以上、他の経済問題なども考えて、慎重に対処すべきなのは、成熟した国家の為政者として、当然のことでしょう。
 やたら好戦的、軍事的対応を叫ぶ連中は、アメリカのサラ・ペイリンと同様の低脳、馬鹿、以外の何者でもないでしょう。誰も止めないから、自分で魚釣島に移住すれば良いでしょう。がんばってください。

 今の日中関係は、感情論、建前論を排し、プラグマティズムで考えるしかありません。
 漢学者の安納務氏の著書からしても、日本人が中国人(漢民族)を理解することは不可能、っとのことです。ならば、中国との付き合い方は、徹底的に実利に基づいた交渉であるべきでしょう。

 とすれば、尖閣諸島については、基本的に日本領としながらも、言いがかりに近い、天然ガス共同開発も、実利に徹して行い、また両国間の貿易を中心とした互恵関係を維持するのが、正しい道と考えます。

 今回のビデオの漏洩は、たぶん、海上保安庁、または関連する官庁内にいる、自称「愛国者」が、日本に非は無いと訴えたいがために、「善意」で漏洩したものと、私は推測します。
 中国国内のネット上では大騒ぎのようですが、実際にビデオを見れば、衝突してきたのは中国漁船と明白で、中国政府としてもあまり騒ぎにしたくは無いでしょう。
 日本の良識ある人も、同様に、この程度のこと(従来の政府見解とまったく違わない)で、がたがた騒ぐ方が、国益を損なうというものです。

 あとは、時間と、ガス田開発における進展で、解決していくことでしょう。

 いたずらに騒ぐ日本人は、情報が完全に統制されている、異常国家中国の、燃えやすい安っぽい輩と同レベルということで、恥じ入るべきです。日本人は恥を知る民族だったはず。
 事件はいろいろ起きますが、そのたびにぎゃぁぎゃぁわめいていても何にもなりません。
 3K新聞の低俗記事に惑わされること無く、国益最優先で、冷静に物事を考えるべきでしょう。

以上
posted by ジャッカル at 23:07| Comment(2) | TrackBack(3) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは

 北方4島について、多国間協議で、日本領ではなくなった、という事実はありません。日清戦争の講和条約で割譲を受けた台湾、遼東半島のうち遼東半島を独・仏・露の「三国干渉」で失ったということはありますが……。

 千島全島は日本、樺太はロシアという線引きは、日本にやや不利ではあるが、日露戦争前から、平穏裡に決められていました。

 4島は、日本が降伏したあとに乗り込んできたもので、アメリカも公式には認めていません。
 
Posted by ましま at 2010年11月06日 16:47
>ましまさん
 千島樺太交換条約は当然のことながら、その後の戦時中のヤルタ会談の結果、千島列島はソビエト領ということが、日本は含めない多国間協議で決められています。またソ連の対日参戦も。
 見る角度を一方にのみすれば、「ソ連不当」とも言いたくなるのでしょうが、ソ連は、他の連合国諸国との合意を果たしただけです。
 確かに、ヤルタ協定の結果を戦後確定する、サンフランシスコ講和条約にソ連は調印していませんが、その一方で、地理の教科書上は、国後、択捉も「千島列島」といいながら、この2島+2島は、「千島列島に属さない」という、旧来の自民党の主張の方が、理不尽なものといえます。
 私の考えでは、千島列島全域は、戦争により奪取され、占領され、日本は実効支配権を失っている。その上で、千島全島の返還を求める、という立場です。
 ただし、歴史的に不凍港を求めるソビエト>ロシアの考えからすると、返還されることは絶望的と思われます。

 この件はこれにて。
Posted by ジャッカル at 2010年11月06日 19:32
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