2010年11月12日

政策論無き、国会議員やマスコミは姿勢を正せ。

 今日のエントリーは、かなりの部分、過去との重複があるが、自公の幹部議員や、保守系マスコミ(読売、産経系列、および「週刊新潮」、「週刊文春」、「ゲンダイ」の講談社系列、「ポスト」や「WILL」と言った小学館系の雑誌メディア)の発言や記事が、あまりにも不見識、かつ無定見。そして生産性が何も無いので、本来、選良たるべき国会議員として、また、「社会の木鐸」としてのマスメディアのあり方として、あまりにもひどいので、繰り返し苦言を呈する。

 もちろん私は、自公政権からの政権交代を目指していたものであり、今の民主党に期待はずれであった点が多々あるとはいえ、自公、そして自公べったりの保守系マスコミとは対極に位置する人間であるのは事実である。
 それにしても、上記の諸発言者たちの言い分はあまりにもひどく、おろかしい。

 具体的な例を2つ挙げる。

 まず、最近はTPPの話題一色だったが、それに先んじて、2国間における自由貿易協定「EFTA」の締結が韓国が先行しており、日本が立ち遅れている、という非難を産経がした。しかし、その翌日の同じ紙面で、TPP参加は、農業壊滅の亡国への道、という趣旨の記事が載った。一体、産経新聞は、自由貿易を良いと考えているのかいないのか?要するに、時事の民主党幹部の発言の揚げ足を取っているだけではないか。
 自分自身の定見や意見も無いのに、悪口だけを垂れ流すのは、もはやまともなメディアとは言わない。

 まぁ、産経はあまりにも低脳だから・・・、っといえなくも無いが、他も似たり寄ったりである。

 自公の主張を見てみよう。石原伸晃や石波が、汚い言葉と、なぜか泣きはらしたように目を赤くしてまくし立てるのが、尖閣諸島問題で、中国に対して弱腰だ、土下座外交だと罵り倒しながら、他方で、日中関係をどうするのか?と食って掛かる。そういうビジョン、また自民党の「シャドウ・キャビネット」ならどうするのか?という提言がまったく無い。そして、ただ、時事起きる事件ごとに、無意味なことをぎゃぁぎゃぁと騒ぎ立てているだけなのが、自民党の幹部といわれる連中だ。

 尖閣諸島問題だけに絞ってみよう。
 まず、漁船衝突事件があった。それはそれで問題ではあるが、尖閣問題を未解決のまま放置してきたのは自民党だ。その点どう考えているのか?
 次に、それで中国との関係がギクシャクすると、今度は、一方で土下座外交批判をし、他方で、日中関係修復をどうするのだ!とわめきたてる。
 次に、漁船衝突事件のビデオの公開をするしないの議論があったが、自公は「国民にも公開しろ」とは言っていなかった。
 そして、ビデオ漏洩事件がおきる。
 すると、最初は、ビデオ漏洩が問題だと騒ぎ、次に、情報機密のあり方として、責任を取れと閣僚の辞任を叫ぶ。

 どれひとつとっても、場当たり的感情論ばかりで、「自分たちならこうする」という、責任ある発言など皆無である。普天間基地移設など、その最たる物であろう。

 そして、それをそのまま、または悪い方へ増幅して流す、雑誌メディア。
 劣悪な言論といえよう。いやもはや「言論」とはいえない。単なる言いがかりにしか過ぎず、他方で何も提案も自己の意見も言えないのを見ると、無能のそしりを免れないだろう。

 要は、自民党と、上記の(ゲンダイは少し毛色が違うが。)マスコミ各社の報道とやらは、ただひたすら民主党の悪口(批判ではなく、「悪口雑言」)を書いて、民主党の支持率を落とし、自民党の政権返り咲きを支援するために、ひたすら滅私御奉公に励んでいるに過ぎないようだ。

 だが、この政権交代後の1年以上。民主党政権の支持率が下がることは、政権党であるから、今までと同様であるが、自民党の支持率はほとんど上昇していない点に着目するべきである。
 つまり、自公の幹部や、ちょうちん持ちの保守系マスコミがいくら泣いてもわめいても、自民党の支持率は回復していないのである。

 いい加減目を覚まして、本当に政権奪取したいなら、具体的で、国民から支持される政策を提案するべきであろう。

 私が言っているのは、自民党が政権末期によく使った、「対案がないなら、この案を強引に通す」っという、「対案路線」とは違う。自民党が、政権奪回を目指すなら、せめて罵詈雑言ではなく、今の状況に、自分たちならこうする、と国民に表明するべきだと言っているのだ。

 たぶん、自公幹部も、保守系マスコミも、官僚の作文がなければ、政策や何らかのアクションを立案できない、無能者の集団なのだと思う。特にマスコミは。
 ただただ、人の悪口だけを言っている人物を尊敬する人はいない。

 自民党は、民主党の政権交代前ののマニフェストに対する対案を国民に示さねばなら無い。それが国民にとって利益があるものなら、国民は支持するだろう。しかし、そのような動きは無い。シャドウキャビネットの具体的発言も無い。

 果たして、もう今の自民党には、官僚の手助けなしに国政を運営しうる人材はいるのであろうか?大いに疑わざるを得ない。

 また、ゲンダイ系列が特殊というのは、政権交代前は、廃刊になった「月刊現代」を中心に、反自民党の論陣を張っていた。しかし、今は、民主党執行部を、同じ民主党の小沢元代表の側から叩いているに過ぎない。

 これほどのマスコミの劣化は、新聞、雑誌の売り上げ減少、テレビの視聴率低下とも無縁ではあるまい。というか、劣化しているので、誰も見向きもしなくなってきているのである。マスコミから離れた市民はほとんどがネットによる情報把握に走る。私もそうである。その悪い面として、真偽不明のデマ情報を基にした、「陰謀論者」が跳梁跋扈する時代にもなったのである。

 だからこそ、先日述べたように、情報の中から、重要なものを取捨選択し、自分で判断して、政党なりを突き上げていく力(市民の「情報リテラシー」)が、求められているのである。

 とにかく、最近の自民党の石原、石波の妄言の連発はひどすぎる。ただただ、非難するだけで、「自分たちならこうする」というものが何も聞こえてこない。
 民主党が期待はずれでも、自民党がしっかりするならともかく、民主党を罵りながら、自分たちは無策というのは、世襲の無能ぶりの証明であろうか?

 こういう以上、私は、自分の意見を持っている。それは今後のエントリーで順次書いていきたい。

以上。


 (追記)
  思い出したのだが、昨日、馬渕国土交通相の辞任要求をわめいた石波だが、自分が防衛相の頃、 自衛隊で、イージス艦情報の漏洩や、中国人女性への譲渡などが発生していたが、どうして辞任
 しなかったのか、答えてもらいたいものだ。
  尖閣ビデオよりも、対米関係で、重大な問題だっただろうに。マスコミも何も言わない。
posted by ジャッカル at 04:55| Comment(4) | TrackBack(5) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
石破氏はよかれあしかれの『オタク』、裏返せば『政策通』というイメージがあったんですがね。

民主政権に期待はずれな点はあったとしても、ならばしっかりと代案を示していかないとね。

一応僕も複数の新聞を読むようにして、複数の情報を理解したうえで判断するようにしているのですが・・・・。
情報リテラシーを身につけるのって難しいなあ。ジャッカルさんのもとで、しっかり勉強させていただきます。
Posted by SPIRIT(スピリット) at 2010年11月17日 23:47
良し悪しはともかく、自民党時代には領有権の棚上げ合意がなされていて、かつ漁船についても逮捕はしても、それを完全に司法手続きに乗せる前に処理するという暗黙の前提がお互いにあり、それで近海問題は一応回ってきたわけです(小泉政権のときでさえも!)。

それを、前原外相が言うように棚上げ合意を反故にして、明確に国内法にのっとった処理をやる、と一度明言したわけです。それはそれでひとつの見識だと思うので、それなら覚悟を持って最後までやってくれ、ということになるし、自民党がこれまで「放置してきた」ことへのアンチテーゼにもなるわけです。

だが、それはまったく中途半端な覚悟に基づくもので、中国側の恫喝に屈してしまった。あげく、日中関係そのものもおかしくなった。そして、最初の強硬姿勢はどこへやら、弱腰一辺倒になってしまったわけで、その過程で日中でビデオ非公開の合意までなされたわけですよね。

となれば、自民党が、
@これまでの我々の手法なら、少なくとも対立を顕在化させなかったし、日中関係もうまくいっていた
Aそれを転換して強硬姿勢でいくなら、少なくともそれで一貫してほしい。それなのに、急に弱腰になった。覚悟もなにもなかったではないか。弱腰な上に、日中関係がおかしくなるとは何事か。

という両面からの批判をするのは当然で、別に矛盾した話ではないと思います。(続く)
Posted by 金輪 at 2010年11月18日 00:45
>自公は「国民にも公開しろ」とは言っていなかった

これは何なのでしょうか。流出前、10月初頭の時点で、「国民に公開せよ」と言っています。

一貫して国民に公開しろ、と言ってきたのが自民党であり、ところが政府は限られた国会議員のみに公開した(携帯電話を取り上げてまで!)。そうしたら、政府の不手際で、国民にそれよりはるかに長い映像が公開されてしまった!国会の立場として、これを批判するのは当然ではないでしょうか。
Posted by 続き at 2010年11月18日 00:55
野党として、政府の処理の不手際を、さまざまな方向から点検批判するのは当然でしょう。それが、ある程度場当たり的に聞こえたとしても、仕方ない面もある。それは民主党の野党時代のことを思い返しても同じではないでしょうか。常に「自分たちならこうする」という案をもてればそれに越したことはありませんが、野党は限られた手持ちの情報を使って、まず政府を質すのが仕事なのです。暫定税率・ガソリン税騒動のときのように、政府を振り回した案が、与党になってみたらまったく実現不能、では笑いものでもあります。

特に、今回の尖閣問題の処理は、国民のほとんどがまずい処理だと考えているわけです。それを代弁するのは野党の責任でしょう。

官僚の力を云々、と言われますが、官僚の力を借りるのは政府であって、野党には政府のビジョンに対抗しうるほどに詳細な政策を提示する責任は無いはずです。そのことは、民主党の、昨年のマニフェストとその実現の度合いを見れば、一目瞭然でしょう。そして、大きなビジョンであれば、今の各野党はどの政党も提示はしているはずです。参院選のマニフェストひとつ見ても、明らかでしょう。

ブログでは、9月末の時点で、この問題はもう収束するだろう、中国は関係改善に動き出しているし、梯子をはずされたのは自民党だ、と言われていました。
ところが、自体はまったく逆に言ってしまったわけですよね。どうしてそうなったのか、そこから考えていく必要があるように思えます。
Posted by 続き at 2010年11月18日 00:57
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