2010年11月05日

尖閣諸島、漁船衝突ビデオ流出について。

 これまで、あまり尖閣諸島事件については触れてきませんでした。今後もそのつもりです。
 日中、双方の国が、我を通そうとすれば、二国間で障害になるのは当たり前で、日本の製造業も食料品輸入も中国に大きく依存している日本が、あまりこの件で事を大げさにしない方が良いと思っている程度です。

 領土問題の根底的な法的根拠については調べていません。その意味では、私は、竹島は韓国領、国後、択捉島は、本来日本領だったが、太平洋戦争後の多国間協議で、日本領ではなくなったと考えています。 
 別に、自虐史観というわけではなく、純粋に知りうる限りの法的、外交的根拠に基づいた結論です。

 ただ、その意味からすると、尖閣諸島は、日本領と考えることが妥当だと考えています。確かに中国という国の歴史の古さを考えると、島の発見も利用も中国の方が先立った可能性は大いにありますが、明治以降の2国間の関係と法的内容、および現在巡視船が常駐する形での実効支配からすると、尖閣諸島は日本領と言ってよいでしょう。
 特に、中国がこの件で関心を持ち始めたのは、東シナ海の天然ガスの資源が確認されてからで、アフリカにおける中国の、社会主義国の建前とはまるでかけ離れた収奪の状況をかんがみれば、「中国側の強欲による言いがかり」と言っても過言ではないでしょう。

 中国の「中華思想」的外交と、社会主義体制に新自由主義経済体制という、異様な状態や、なんだかんだ言っても、戦前の日本の皇民化教育に匹敵する、漢民族優越主義と、北京語強要を是とする内政方針を見ても、中国の体制側が、外交における巧妙さとは裏腹に、戦前レベルの低い民主化程度であることは間違いないでしょう。

 で、問題のビデオですが。
 全部見ましたが、あれは捏造ではないでしょう。大掛かり過ぎます。日本の極右の金でもあぁはできないでしょう。ですから、あのビデオの内容が事実だとすると、マスコミは菅内閣をやたらと叩いていましたが、実情は、菅内閣の言うとおり、中国側漁船の意図的、もしくは船長の酩酊による、巡視船への衝突ということで間違いないと思います。

 では、なぜこれまでビデオを公開してこなかったのか? まったくの推測でしかありませんが、やはり日中関係の重要性をかんがみ、中国国内では本来不逞な輩といえる、貧乏漁民の暴走行為をねたに、日中関係を悪くはしたくなかったということでしょう。
 ですが、建前と面子重視の中国は、ごり押しをやめなかった。しかし、そこには他方、何らかの引き時をほしがっていたとも読めるわけです。
 ナショナリズムというのは、ある程度は、どこの国の国民の誰しもが持っているものですが、それが刺激されて、無理が通れば道理が引っ込む、というようにはしたくなかったというのが、日本政府の立場でしょう。

 私は、それを支持します。
 中国の領有権主張が、強欲によるごり押しだとしても、国際関係の交渉である以上、他の経済問題なども考えて、慎重に対処すべきなのは、成熟した国家の為政者として、当然のことでしょう。
 やたら好戦的、軍事的対応を叫ぶ連中は、アメリカのサラ・ペイリンと同様の低脳、馬鹿、以外の何者でもないでしょう。誰も止めないから、自分で魚釣島に移住すれば良いでしょう。がんばってください。

 今の日中関係は、感情論、建前論を排し、プラグマティズムで考えるしかありません。
 漢学者の安納務氏の著書からしても、日本人が中国人(漢民族)を理解することは不可能、っとのことです。ならば、中国との付き合い方は、徹底的に実利に基づいた交渉であるべきでしょう。

 とすれば、尖閣諸島については、基本的に日本領としながらも、言いがかりに近い、天然ガス共同開発も、実利に徹して行い、また両国間の貿易を中心とした互恵関係を維持するのが、正しい道と考えます。

 今回のビデオの漏洩は、たぶん、海上保安庁、または関連する官庁内にいる、自称「愛国者」が、日本に非は無いと訴えたいがために、「善意」で漏洩したものと、私は推測します。
 中国国内のネット上では大騒ぎのようですが、実際にビデオを見れば、衝突してきたのは中国漁船と明白で、中国政府としてもあまり騒ぎにしたくは無いでしょう。
 日本の良識ある人も、同様に、この程度のこと(従来の政府見解とまったく違わない)で、がたがた騒ぐ方が、国益を損なうというものです。

 あとは、時間と、ガス田開発における進展で、解決していくことでしょう。

 いたずらに騒ぐ日本人は、情報が完全に統制されている、異常国家中国の、燃えやすい安っぽい輩と同レベルということで、恥じ入るべきです。日本人は恥を知る民族だったはず。
 事件はいろいろ起きますが、そのたびにぎゃぁぎゃぁわめいていても何にもなりません。
 3K新聞の低俗記事に惑わされること無く、国益最優先で、冷静に物事を考えるべきでしょう。

以上
posted by ジャッカル at 23:07| Comment(2) | TrackBack(3) | 社会 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

TPP(環太平洋パートナーシップ)について

 国会の施政方針演説で菅首相が表明して以来、EFTAや、TPP(環太平洋パートナーシップ)といった、貿易の自由化、関税の撤廃もしくは低減という動きについての議論が盛んだ。

 かつての、アメリカ民主党政権において、対日本の貿易摩擦があったことも、ずいぶん昔のことになってしまったが、この問題は、2国間以上の貿易においては、必ず付きまとう問題であった。
 今回、俎上に上っているのは、太平洋沿岸諸国における、貿易の自由化に関する議論である。

 私は、基本的には、自由貿易は理想だとは思っている。しかし、もし、今すぐに日本が輸出入の関税を撤廃した場合、輸出中心の製造業は大喜びだろうが、オレンジ・牛肉の自由化以来、苦しい経営を強いられてきた農家にとっては、大打撃が起こりうることも、肝に銘じておかねば成らない。

 基本、製造業労組を支持母体に持つ民主党が、TPPへの前向きの参加に前のめりになるのは考えうる。
 しかし、ただでさえ、食料自給率の低さが問題視されている中で、安易にTPPに参加することには慎重であるべきだ。
 本来この話は、民主党のマニフェストにあった、農家個別所得補償などとセットになった、農家保護策と一体として考えねばならない。

 農家個別所得補償とは、一種のベーシックインカムの思想であり、こうすることにより、農家は生活のことを心配することなく、輸入品より品質や種類の良いものを作ることに取り組むことができる。

 自民党政権下以来の、農家をダメにする補助金ばら撒き行政を支持はしないが、今回、TPP参加について議論する以上、この問題を避けては通れない。

 その意味では、私は、普段批判している小沢や、自民党の主張に近い。

 ただ、小沢は、本来推進派のはずだったのに、単に菅首相への対抗として、慎重論を展開しているに過ぎず、その「政局(だけ)が好き」という、悪癖には閉口する。
 また、自民党も、農家票の離反が、政権交代のきっかけになったため、農家を重視するような顔をしているが、内心は、製造業を含む、大企業の顔色を伺っているのが実情であろう。

 今回、多国間協議ということもあり、個人や政党の私利私欲にかまけての議論は排したい。
 その上で、理想と現実を直視しながらの、漸進的な取り組みが必要と考える。

 たとえば、EUに参加しながら、通貨統合には最初は参加しなかったイギリスのように、独自の立場をとることも視野に入れるべきであろう。
 多国間協議は話し合いであり、自国の事情を説明し、長期的視野からの政策実現が求められると思う。

 菅政権の賢い判断を期待したい。


(追記)

 今日のエントリーではなく、昨日のアメリカ中間選挙結果に関する、「ティーパーティー」運動についての補足である。
 そもそも「ティーパーティー」という言葉を最初に使ったのは、共和党の議員、ロン・ポール氏で、その選挙資金集めのパーティーで、ボストン茶会事件に扮した演出があったことに端を発するらしい。
 ロン・ポール氏は、今や、共和党の中でも、次の大統領候補の筆頭に挙げられるまでに有名になった。
 だが、ティーパーティー運動で、一般に流される、ネオコン・タカ派のサラ・ペイリン前・アラスカ州知事は、単にティーパーティーの一部の極右派が、講師として招き、その後も宣伝塔として使っていただけのもので、彼女の政策(そんなものは持っていないが)や信条と、ロン・ポール氏では、大きな違いがある。
 サラ・ペイリンが、盲目的なキリスト教原理主義的、アメリカのパワー信仰の、ネオコン・タカ派であり、敵(彼女はその実態を知らないだろうけど)を殲滅するまでは、アフガン戦争も継続するべし、と主張するのに対して、ロン・ポール氏は、戦争という金食い虫を早く辞めて、財政赤字を減らし、小さな政府を実現すべきだという主張である。

 私自身は、「良い小さな政府」というのは欺瞞だと思っており、国家の役割は、国民の最大多数の最大幸福に寄与すべきものと考えるので、福祉重視の大きな政府論者だが、上記の2氏を比較した場合、エキセントリックな宗教右派に支持されたサラ・ペイリンよりも、ロン・ポール氏のほうを支持したい。

 実際、アメリカでのある世論調査でも、次期大統領にふさわしい、というのは依然としてオバマ現職大統領であり、それに次いで、ロン・ポール氏の名があがる。サラ・ペイリンなど誰も相手にしていないのだ。決まった組織があるわけでもなく、草の根的に広がった「ティーパーティー」運動は、確かに保守系浮動層の起こした風だったわけだが、サラ・ペイリンと、ロン・ポール氏とでは、後者への支持のほうが圧倒的に高い。

 陰謀論者の副島隆彦あたりが、オバマ氏が辞めて、クリントン女史が大統領になる、などと、アメリカ連邦憲法への無知をさらけ出している(現職大統領が任期中に失職した場合、副大統領が「自動的に」大統領になる)が、仮に次の大統領選挙にオバマが氏立たず、クリントン女史が立ったとしても、その対抗馬は、サラ・ペイリンでないことは間違いないであろう。

 以上
posted by ジャッカル at 08:36| Comment(3) | TrackBack(3) | 政策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月04日

アメリカ民主党、中間選挙で大敗>「ティーパーティー」の薄気味悪さ。

 しばらく更新をしなかったが、何も考えていなかったわけではない。だが、特に記事を書く食指が動かなかったのは事実である。
 その中で、昨日結果が報道された、アメリカの中間選挙の結果と、その中で耳目を集めた、「保守系市民運動」とやらの「ティーパーティー運動」について、簡単に感想を書いてみたい。

 現地時間11月2日に行われた、アメリカの上下両院の中間選挙で、オバマ大統領与党である、アメリカ民主党が、特に下院で大敗を喫し、過半数をアメリカ共和党に奪われた。
 アメリカの2大政党は、時に所属議員が造反もするし、他方、政策に大きな違いはなく、2大政党制の弊害=他に選択肢が無い。っという悪しき状況になっているといえると思う。

 そうは言っても、ごりごりの宗教右翼・保守の支持を受ける共和党と、同性愛や中絶、遺伝子科学に容認的な民主党という違いはあり、民主党のほうがややリベラルであると言える。オバマ大統領は国民皆保険を目指すなど、過去歴代の民主党大統領の中でも、リベラルの度合いが強い。

 しかし、たとえば、レーガン大統領の時代、「リベラル」を、「社会主義」と誤って認識する風潮があり、それが今回も大きな争点となったようである。
 アメリカにおいては、マルクスの「資本論」が禁書であるように、共産主義・社会主義にアレルギーがあり、リベラルを「社会主義」というのは、理屈ではなく、民主党の政策へのアレルギーを持つ、保守の言いがかりに過ぎない。

 特に今回気になったのは、「ティーパーティー」という「市民運動」と名乗る、わけのわからない集団の活動であった。保守系市民運動、と称するが、昨日のニュースで見てみても、その集会には白人しかいない。白人でもイタリアーノやヒスパニックも見受けられず、かつてアメリカの支配層であったといわれる、「WASP」(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント、の意)と呼ばれる人々と重なると思って間違いないだろう。彼らの主張は、具体的な政策は少なく、ひたすら小さな政府を求め、国民皆保険や、金融機関救済などに国費を投じるオバマ政権を非難しているだけに過ぎない。
 いわば、195,60年代の「古きよきアメリカ」への回帰を目指す、復古主義的保守運動といえよう。

 選挙中の市民へのインタビューで印象に残ったのが、ティーパーティーに参加する白人の中間層の男性の言い分で、いわく、オバマの保険改革は、貧乏人に税金で医療を受けさせるもので、そんなことをしたら、税金を払い、なおかつ民間保険会社の医療保険に入っている自分が損をする。っという物であった。
 日本で見られるような、やっかみとか、自己責任論では無く、純粋に自分の損得のみで考えるあたり、個人主義が日本より強いといわれるアメリカ人のひとつの思考様式であろう。リバタリアン的、っとも言えるかも知れない。

 本来「ティーパーティー」とは、歴史上、アメリカ独立運動の象徴的事件となった、「ボストン茶会事件」という民衆蜂起をその謂れとする。
 しかし、自由と民主主義、そして平等を謳った、独立運動の趣旨とは異なり、今回の「ティーパーティー」は保守の中でも強硬派、原理主義的勢力の活動であったらしい。証拠は何も無いが、「ティーパーティー」の支持を受けた議員たちが、国民皆保険の廃止を叫んでいるあたり、生命保険会社のロビイストによる支援もあったのではないかと邪推する。

 結果、アメリカ民主党は下院で歴史的大敗を喫し、過半数を共和党に明け渡した。上院はかろうじて民主党が過半数を維持したが、一時は院内総務が落選の危機にさらされるという事態であった。

 アメリカでは、1960年代の「公民権運動」の成果で、公の場で人種・性別などの差別を行うことは犯罪とされている。しかし、実際には上記の白人の姿しか見られない保守系勢力の集会のように、人種差別は今でも公然と存在する。「ティーパーティー」参加者に、単に黒人のオバマへの反感だけで参加している者もいるであろうことは容易に想像がつく。

 今回の選挙で、オバマ与党民主党の敗因は、長引く経済不況と、国民皆保険への取り組みによる大規模な財政支出による財政赤字の拡大が上げられている。
 しかし、はたから見ているものには良くわかるが、今のアメリカの不況は、経済無策で戦争ばかりしていたブッシュ前大統領の悪政のつけであることは明白である。もはやアメリカの国内産業は軍需産業以外壊滅しているすら言われている。

 それなのに、その経済失政の責任をオバマに転嫁し、かえって国民皆保険という、日本では当たり前になっている制度を逆戻りさせようという、WASPによる「市民運動」とは、単に保守による反動に過ぎないと思う。
 経済が困窮すると、レイシズムがのさばるのは、20年前のドイツ、最近の日本の在特会などを見てもよくあることで、要は現状が悪いのは誰かの所為(その「誰か」は自分たち以外。そこに人種が絡むのがアメリカ)と言って、罵るだけなのが、劣悪な保守の傾向であろう。本来のボストン・ティーパーティーとはまるで性格が違う。

 しかし、アメリカ人は今回決断を下してしまった。まぁ、アメリカでは大統領の権限が絶大なので、これですぐさま何かが変わると言う事はあまり無いと思うが、オバマ政権にとって政策の幅が限定され、困難な国政運営を強いられることとなろう。

 だが、レイシズム(人種差別)が根底にある運動などに、未来を作ることはできないと私は考えている。 既に膨大な白人以外の人々を擁するアメリカという国家で、既得権益保持者のWASPらの活動が今回は成功したが、現在のアメリカの不況などは、彼らではどうすることもできず、やがてまた揺り戻しが起こるであろうとは想像できる。

 しかし、いつもアメリカの保守派、特に宗教右翼の報道があると、よくしゃべるのが年配の白人女性である。今回もそうだったし、前回の大統領選挙の副大統領候補で、無知のあまり世界に恥をさらした、サラ・ペイリンあたりが、ティーパーティーの主要論客であったりするなど、保守・宗教右派強硬派には女性が多いのかとも思う。サラ・ペイリンは、宗教右派の絶大な支持を集めている。

 彼女らは、たぶん自分では、敬虔なクリスチャンだと思っているのであろうが、宗教学を趣味とする私から見れば、アメリカにまともなキリスト教などわずかしか無い、と言っても過言ではない。天国にいけるのは白人だけ、とか、アメリカ人だけ、などという「アングロ(アメリカン)・イスラエリズム」などという運動まであるのである。
 そのような劣悪な人種差別に根ざした、非進歩的な思考に固着した人々に、新しい時代は築けないであろう。

 今後、アメリカ共和党が何をやらかすか。たぶん、保険制度の後戻りと、オバマが撤退期限を明確にしたアフガニスタン戦争の継続を叫ぶであろうことが予測される。しかし、それを行っても、一部軍事産業以外、誰の利益にもならないことは明白である。
 とばっちりで、日本にアフガン派兵要請が来る可能性は無いわけではないが、民主党政権のうちは、まだそういうことはあるまい。だが、アフガン戦争が継続され、次の大統領が保守派になった場合、どうなるかは予断が許さない。

 それにしても、繰り返しになるが、白人の女性ばかりが集まった、「ティーパーティー」の集会というのは異様な光景に見えた。これが婦人の地位向上の運動ならともかく、ごりごりの保守反動なのであるから、アメリカの右派の異常さには、相変わらず頭が痛い。

 数年前に、アメリカの「プロテスタント」の異常性。ヨーロッパのプロテスタントとも明らかに違う宗教右派について分析した一文を書いたことがある。その時点では、まだあまりアメリカ宗教右派のことが話題になっていなかったが、その後、聖書根本主義、さらにはキリスト教原理主義という言葉も生まれ、アメリカにおける宗教右派の異常性は、年を追うごとにひどくなっているようである。
 そのような連中には絶対に明るい未来を作ることができないのを確信するし、それらが力を持つアメリカが、この中間選挙後、良い方向に向かうとも思えない。ありうるのは保護主義の台頭と戦争経済の維持であろうか?
 世界唯一の超大国のアメリカがこれでは、世界の未来も明るいとはいえないであろう。

 以上、まったくの私見である。

(追記:上記の文を書いた後、内容の検証のため、ネットサーフしていたら、私よりも端的に、ティーパーティーの実情を書いたニュースコラムがあったので、ご紹介しておく。ぜひ、ご一読願いたい。
 http://www.newsweekjapan.jp/stories/us/2010/11/post-1769.php )
posted by ジャッカル at 01:49| Comment(0) | TrackBack(4) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月31日

昨夜遅くから、今日にかけて、アクセス数が急上昇。

 昨日アップした、近い将来の日本を予測したエントリーだが、hatenaブックマークされたりもしたこともあるとは言え、ブックマークして下さっている読者の方のアクセスがすごく、通常の4倍以上のアクセスが集まっている。

 私はアクセス数至上主義者ではないし、ランキングにも参加していないので、事実上、再開から1ヶ月そこそこのこのブログに、こんなに多くの方が、ブックマークして下さっていた事に、驚くとともに、篤く御礼申し上げたい。

 しかし、昨日のエントリー自体は、個人的には、さほど珍しい意見ではないと思う。有名なブロガーである、kojitaken氏からも、「小沢の復権は無いでしょう」というコメントをいただいているし、あくまでも、現状、感じたままの未来予測に過ぎないし、緻密に考えたものでもない。

 それが、hatenaブックマークをいくつももらったり、内容を知らないはずの読者が、こんなにも読みに来てくださるとは思わなかった。 これは、今後はもっと気を引き締めて記事を書かねばならないと、自戒の念を新たにする。

 他方、なぜ、「近い未来の日本の予測」という記事にアクセスが集まったのか、愚考してみた。

 日本は、バブル前までの、途中不況もありはしたが、ほとんどは右肩上がりで発展してきた経済が、世界全体のパイの大きさの限界や、日本企業のそれまでの欧米の模倣という手段では、景気上昇局面が得られなくなっている今、日本人の多くは、「将来」に不安を感じているからではないかと思う。

 「不安の時代」、「先の読めない時代」。これまでも、各所で、このような言葉が使われては来たが、多くは、物事を一面的な見方のみで分析していたり、「自己責任」を唱えて、国家の果たすべき役割を放棄した、小泉以降の「小さな政府・政治=新自由主義」の下で、何に依拠してよいかわからず、将来に不安を感じている人が多いのであろう。

 このブログでよく批判している、小沢信者というのも、「小沢先生なら何とかしてくださる」という、あいまいな期待を、単に自民党幹事長時代に経団連から100億円をゆすり取ったときに着いたあだ名の「剛腕」という言葉に、何かを期待して、盲目的に支持しているものと思う。
 そうでないというのなら、今までにも述べてきたように、小沢支持の具体的な理由を明示してほしいものだ。

 しかし、単に、小沢崇拝を批判するだけでは、真っ当な言論とはいえまい。
 やはり、その根本にある、「将来への不安」、「何かに依拠したいという弱い心」について、もっと真摯な検討をしなければならないだろう。
 これも繰り返しになるが、経済的閉塞感の後にやってくるのは、盲目的個人崇拝の衆愚に基づく、独裁政治だ。 これだけは避けねばならない。

 昨日の記事で、危機感を持っていただきたかったのは、民主党が自民党化しつつある現状と、この2政党が大連立をすれば、改憲が可能になるという事実である。

 もとより私は、一応護憲派ではあるが、今の憲法を盲目的に墨守することがよいとは考えていない。
 しかし、単なる政治家の権力漁りのために、現行憲法が「改悪」されることには強く反対したい。
 今後も、勉強をしながら、不定期更新ではあるが、エントリーを上げ続けたい。

 なお、景気が悪い、悪い、というが、企業業績は回復傾向にある。現在踊り場といわれているが、それは世界的な金融不安に端を発したもので、製造業や材料などの「実業」自体は、健全なのである。

 しかし、その企業の好業績が、国民にきちんと再配分されないシステムを、中曽根以降の自民党が作り、小泉が止めを刺した。もちろんそれに怒った、多くの国民が、自民党の長期政権を終わらせ、政権交代をもたらしたのである。ただ問題は、民主党が、一部旧・民社党系の堕落した議員たちを除けば、自民党の議員よりはまじめに取り組んでいるはずの改革が、なかなか進まず、もっとも喫緊の課題である、雇用の問題が立ち遅れていることと、景気の先行きが見えないことが、不安の元であろう。生活実感もそれに拍車をかけているものと思う。

 私は、今、ここで、改めて、社民主義に基づく、高福祉・高負担。またはベーシックインカム導入による、貧困の解消ということを目指して、記事を書き続けて行きたい。
 今後、読者の皆さんの期待に沿えるエントリーを書けるよう、努力していく。

以上
posted by ジャッカル at 13:05| Comment(1) | TrackBack(6) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年10月30日

近い将来の日本の最悪の様子を想像してみた。

 ここのところずっと感じているのが、日本社会の閉塞感のいっそうの強まりだ。いろいろなことが、悪いほうに向かい、それに対し、政府も企業も国民も、何の対処もできないでいる。それどころか、悪いのは××のせいだ!みたいな悪者探しばかりしていて、責任逃れに終始している感じだ。

 この調子では、ひょっとするとなるかもしれない、日本の政治・社会の最悪の様相を想像してみた。比較的近い(3年後の衆院戦前後かも)と思う。

 まず、自民党べったりのマスコミと、植草真理教狂信者たちによる、根拠は無いが声だけは大きい、菅政権批判が続く。彼らは何も対応策を出さず、ヒステリックに非難だけを続ける。
 しかし、声の大きいものの影響力というのは確かにあって、菅首相に限らず、民主党政権は今のままではジリ貧になっていくであろう。

 そして、菅もしくはその他の誰か。特に裁判が終わった後の小沢が復活してきたりしたら、政権の凋落を打開し、権力の座にしがみつくために、自民党との大連立を行うと思う。
 その際の接着剤は、憲法改定だ。

 改憲の柱は、主に2つで、1つは小沢の主張である、9条は変えないが、国連のPKFなどには積極参加する、というもの。もうひとつは、自民党の改憲素案にあった、権利の条項を増やすように見せかけて、実は基本的人権全体に大きな制約を課すというやり方である。国民投票で否決しない限り、国会ではこれらは通ってしまうだろう。

 そして、権力の座を固めた民主・自民両党は、いっそうの権力がために、比例代表区を無くし、全面小選挙区として、少数政党を抹殺するだろう。

 あとは、中国との軍拡競争に狂奔し始めて、やがては、日本はかつて来た滅びへの道を転がり落ちていくだろう。対米自立を叫ぶ、小沢信者たちが熱狂的に支持するのではないか?

 これが、当面の最悪の仮定だ。
 だが、かなりありうると思う。特に小沢が復権したら、大連立の可能性は大きくなる。

 これを、防ぐ気が本当にあるのなら、民主党政権は、前回のエントリーのような施策をスピード感をもって行わなければならないだろう。
posted by ジャッカル at 01:51| Comment(3) | TrackBack(4) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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